コラム

コラム「要人警護」 警視庁捜査二課から電話が?!(前半)

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警視庁捜査二課から、私の警護対象者について「情報提供して欲しい」と突然に電話があった時の話です。

この仕事をしていますと、いろいろ不思議なことに遭遇します。

人生の経験値として前向きに捉えて良いものか、単なる災難と解釈すべきかどうか迷うくらいです。

 

「私は警視庁刑事部捜査第二課の◯◯です。」

と名乗る人が電話口で、私の警護対象者の行動スケジュールや面会相手について知りたいと言ってきたのです。そんな情報はご想像の通り、超機密です。

 

私の警護対象者は当時、ある上場企業の役員をなさっていて大きな経営トラブルの最中でした。

(陰謀めいた気配のする話ですが、皆様が安心できる結末となっておりますので、お気軽にお読み頂けますと幸いです。)

 

「××さんの警護を担当なさっていると知り、お電話させて頂きました。×月×日から×日までの3日間のことについて教えて頂きたいのすが宜しいでしょうか?行動スケジュールや面会相手のことなど・・・」

とても丁寧な口調。

 

いろいろなことが私の頭をよぎりました。

刑事かどうか鵜呑みにはできないぞ。そもそも、なぜ私が××氏の警護を担当していることを知っているのだろうか。すごい!さすが捜査二課。いやいや、まだ本当にそうとはわからないのだ・・・。というか、本物の刑事だからといって話して良いものかどうか。正式な捜査協力依頼なら話は別だが、まだこの段階ではそうではない・・・。まだ非公式なのか?そうだ。そうに違いない。あくまで一人の刑事さんが「ちょっと聞いていいですか?」のレベルだ。よし、そう思うことにしよう・・・。

 

私の返答は、確かこんな感じでした。

『えー。かしこまりましたぁ。記録があるかどうかちょっと調べてみます。30分以内にお電話を折り返します。よろしぃーですか?』

今思い出すと、ちょっとアホっぽい言い方だったかもしれません。堤真一さんみたいにシブーい感じにすればよかったと後悔しています。

 

先方の返答はまたしても紳士的でした。

「ありがとうございます。ではお待ちしております。こちらの直通番号は・・・」云々。

 

なんとなくスゴそうだなと思いました。手強そうな相手だな、と。当たり前か・・・・。

警視庁刑事部捜査第二課と言えば、贈収賄、選挙違反、背任、企業恐喝など知能犯の捜査を行う部署、のはず。本庁の何階にあるのだろうか。警護課は16階だが、それよりは絶対に下のフロアのはずだ。というかそんなこと今はどうでもいい。本題に集中せねば。

 

言われた直通番号にかけるのだけは、やめておこう。折り返す前にとりあえず一本、いや二〜三本ほど煙草を吸おう。トイレにも行っとこう。

 

警護対象者のおかれた複雑な状況について、改めて想いを馳せました。

 

まずは先方が本物の刑事であるかどうかを知ること、そうであった場合の返答方法について決めておかなければなりませんでした。偽物からの電話だとわかれば話は簡単です。よくわかりません、と言えばいいだけのことです。

 

それにしても見栄を張りすぎました。30分以内に折り返すと言ってしまったのですから。早い=仕事ができる、とは限らないのですから。

 

前半終わり。

エスピー・ジョブ 木本亮

投稿者の記事一覧

警護学校「SAFE HOUSE」総長
http://safehouse.toyko/

□監修□
フジテレビドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」('07)
映画「SP THE MOTION PICTURE 野望篇・革命篇」('10,'11)

□身辺警護考証□
NHKドラマ「4号警備」('17)

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